− 花粉ではなく春の脱皮! −
西洋医学では春先特有の、くしゃみや咳、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみ、充血等の不快な様々の症状をいわゆる『花粉症』としています。杉や檜等がちょうどこの時期に開花期を迎えて大量の花粉を飛散することから花粉を吸い込むことでアレルギー症状を引き起こしているとして花粉を主な原因にしています。
では杉や檜の森林が多い地方よりも都市部で花粉症患者が増えているのは何故でしょうか?また、発症のピークが20代30代の大人に多く、子供やお年寄りの発症が少ないのはどう説明するのかと言うと、バケツ一杯の許容量を超えると、ある日突然発症するという訳の判らない説明をしています。
では花粉は杉や檜に限らず、花粉が飛ぶ60種類とも言われている多種多様な植物が一年中、開花飛散をしていますが、何故花粉症は春先の時期に集中するのでしょうか?これには明確な納得できる答えが用意されていないようです。ダニやほこりのハウスダスト説や、ディーゼルエンジン等の排気ガスによる大気汚染説、インスタント食品やファーストフード、スナック菓子に使われている食品添加物説、寄生虫の減少や過度な清潔志向にあるとする説等、犯人の特定が難航しています。
整体の第一人者、医学博士でもある井本邦昭先生は明確な答えを持っています。50有余年、毎日たくさんの患者さんを問診ではなく、背骨を、お腹を、体全体を、一つの命として、季節や気候の変化、体調、体の変動を敏感な指で、腕で、腰で、全身全霊で直接真摯に捉え診て来られた達人の貴重な臨床経験から導き出されました。私達道場生でも春の体の変動を読み取ることができるようになりました。レントゲンでもCTでもMRIでもわからない、生きている人間の今と言う春の体の変動がわかるのです。
自然界の一員である私達人間は気候や季節の移ろいに対して決して無縁ではありません。深い雪の下から芽を出すふきのとうにしても、寒い冬に耐えて徐々に蕾をふくらませて行く木の芽も確実に春を感じ、春への準備をしています。動物も冬眠から覚め、冬毛から春毛へと脱皮します。昆虫も春への胎動を開始します。私達人間も冬から春の体になろうとして自然に変動を開始します。
春は腰椎の4番(生殖器、骨盤と関連しています)が緩み、動物のように発情する訳ではありませんが(種の保存は本能の働きです)人間も埒外ではいられません。骨盤が緩むと下から上へと体が緩んで行きます。骨盤が緩むと肩甲骨(上体)、後頭骨(脳)へと連動して緩んで行きます。通常は健康体であれば、自然にスムーズに下から上に緩んで行き、冬にためこんだ皮下脂肪を落とし、余分なものを排泄して気温の上がる春の気候に備えて汗のかける体、皮膚呼吸のしやすい体、弾力のある瑞々しい体へと変化して行きます。ところが、スムーズに春の体に移行できない人がいます。日頃から食べ過ぎ飲みすぎ等の不摂生な生活を送っていたり、過大なストレス、自家中毒や古傷を抱えている人、いわば整体ではない、自然治癒力が鈍くなっていたり、心身につかえがあって体が硬直している人は春になっても緩みにくい体になっています。こういう人は普段から汗がかけない、風邪がひけない体です。
花粉症になる人はこの下から上に緩んで行く過程の中で途中でどうしても引っ掛かって緩まないところがあります。そこで、くしゃみをしたり、咳をしたりで体を緩めようとする働きが出ます。日常的に食べ過ぎている人は鼻詰まりを起こしてこれ以上食べられないように食欲を抑えています。食欲不振、吐き気、胃が詰める、口内炎ができる等の症状は普段より食べる量を減らして消化器をいたわりましょう。栄養は要りません。余分なカロリーを鼻汁や涙で捨て、古傷の呼び起こし(腰痛、神経痛、肩こり、寝違え等)をして、いわば痛みも排泄の一種です。体の中の毒素を皮膚から出して(アトピー症状)来るべく春の体になろうとする健気な体の働きを病気として、症状を薬で抑えて止めているのが今の医療です。
花粉症の正体がわかれば、花粉症グッズ(マスク、防塵眼鏡、ダスターコート等)も要らないし、空気清浄機、加湿器、布団乾燥機も無用の長物と化します。何より安心して素晴らしい春の季節を楽しむことができます。ひどい花粉症の方でも桜の花が散り、そろそろ暑くなる頃には嘘の様に解消するでしょう。でも、陽気のせいですかねえと言われぬように、しっかり排泄をして、整体体操で緩んだ健康体を取り戻しましょう。